2009年11月23日月曜日

12月例会のご案内

                          23.Nov.2009 公園の秋 F4

12月の例会は、次のような予定で実施します。


だいぶ戸外が寒くなってきましたので、今回から来年の2月の例会までは、室内で行います。室内という環境を生かして、これまで、あまり時間がなくてやれなかったことをやりたいと思います。


2009年の3月から始まった「風景・水彩スケッチ会」です。これまで、「里山」や「公園」、「街中」、「農場」など場所を替えながら野外スケッチをしてきました。参加者は、かなり前から描いている方や、わりあいと最近始めた方など、いろいろです。この秋から新しく参加された方もあります。それぞれの方の、絵に対する関心も、好きなものも様々だと思います。

今までのスケッチ会で描かれた参加者の方の「作品」を見ると、みなさん一人ひとりに、これまでに身につけた「描き方」や「彩色」の方法というのがあります。絵を描いたことがないという方でも、子供の頃に描いた記憶があり、いまでも、そうした描き方が身についているはずです。


しかし、「風景・水彩スケッチ会」に参加して、「自分にとって新しいもの」を身につけたり、「今までとは違う方法」を取り入れるためには、どうしても集中的に取り組むことが必要です。。そこで、2月までの3回の「スケッチ会」では、「倣う」と「慣れる」ことを中心にした時間をつくりたいと思います。


内容としては、

ダーマートグラフ(またはペン)の描き方」と「彩色の方法
具体的には、模写という方法をとおして、ダーマートグラフやレタリングペンの使い方に慣れ、彩色の仕方を倣います。




日時は、以下の通りです。1回だけの参加でも構いませんが、できれば3回通して参加していただくと良いかと思います。


12月16日(水) 13:00~15:30ごろまで 
● 1月20日(水) 09:00~11:30ごろまで
                                (この回だけ、午前中です) 
● 2月17日(水) 13:00~15:30ごろまで


場所については、参加希望された方に、メールでお知らせいたします。  
     


受講料 各回とも3500円(資料代、画用紙代を含む)・・・画用紙は、こちらで用意します。


用意するもの  ダーマートグラフ・レタリングペン(2ミリ)・・・必要な人は会場で買えます!「絵の具」の道具・水入れ・筆


参加希望の方は、12月13日(日)までにメールで、ここから、申し込んでください。








11月例会の様子



秋の色を探して

11月は、東京立川市にある昭和記念公園に行きました。
前日までの雨が上がり、青空も広がってきて良い天気に恵まれました。午前中は、銀杏並木で描き、午後は日本庭園の近くまで足を伸ばしました。銀杏はすでにピークが過ぎたようで、風に舞って黄葉が落ちてくる並木道で描いてみました。

いつものように、目の高さを基準にして、画面に入る風景を確かめてから始めました。自分に一番近い銀杏の樹を決めたら、目の高さが幹のどの辺りを通っているか、二番目の樹の幹では、どの辺りになるかと、一本ずつ測っていきます。根元までの長さ、画面の上部に納まるのはどの辺りまでか、実際の風景と画面上のそれぞれとを対応させて、目で見たままの大きさで風景を写し取っていきます。




人間の目というのは、実に良くできているのですが、樹の大きさや太さ、枝分かれの方向、次の樹までの間隔など、長さや角度に関わることについては、かなりあやふやな所があります。よく「見たとおりに描けばいい」と云いますが、見たとおりに描いたつもりで、出来上がったものは、全然くるってしまうことがあります。ことに構造物のような建物は、長さや角度が違ってしまうと、できあがったものは、バランスのくずれたものになってしまいがちです。一軒家を描いて、そのとなり隣とふやしていくと、遠い家並みのところでは、いつの間にか、形が崩れてしまい、ありえないような絵になってしまうことがあります。

そこで、画面の中に風景のどこまでが納まるのか、あらかじめ確かめておくことが必要です。その際に、
風景と画面上の絵とが、1対1に対応している、大きさが同じになっていることからスケッチを始める方が
やりやすいと云えるでしょう。
建物の絵を描くときだけでなく、銀杏並木のようなところを描くときにも、この方法は有効です。また、長さと角度をしっかりと測って描くことを大事にすれば、出来上がった絵も「見たままのとおり」で、見ていても自然な感じを受けるものになります。

銀杏のスケッチでは、黄葉したイチョウの葉を「点描を中心とした重ね塗り」の方法ではなく、「絵の具の滲み」を生かした描き方を中心にして描いてみることにしました。下書きしておいた紙に、銀杏の葉にあたる部分だけ水でぬらしてから、「黄色と、もう少し赤みがかった黄色、黄緑色の三色」を注して滲ませる
様子を実際に見てもらいました。三色が微妙に交じり合って思いがけない色が現れてきます。それを楽しみながら、彩色していくこと、乾いたら大きさの違う葉を点描で重ね塗りすることなど、彩色するうえで気をつけることなど話して、さっそくスケッチに取り掛かかることにしました。




銀杏の葉が降り積もった「道」、道に広がる「樹の影」や「枝の重なり」「樹の間、奥に見えるもの」など、ほかにも色々な課題がありましたが、一度に其のすべてを取り上げることは、混乱を持ち込むことになります。出来上がった絵を見て、「自分の絵に何が足りないか」考えてみることが、それらの課題に近づく一つの方法です。人の絵を見ることで学ぶことも大事ですし、ものの見方や描き方を人から教わることも大切です。でも、まずは、自分で、描いている途中であっても、描きかけの絵を少し遠いところから眺めて、何が足りないか見つけること、物足らないところが見つかったらそれを加えてみること、そうしたことも、絵を描く力をつけることにつながるように思います。身近に居る家族に、できれば絵を描かない人に見てもらって、批評を受けることも大事です。

絵を描くということは、誰かに見てもらうことを前提にしています。絵を見る人は、絵を描いている人とは限りません。絵を描いてはないが、絵が好きでよく見ている人や、絵とはあまりかかわりの無いような人にこそ見てもらって、批評を受ける。予想もしなかったような反応が返ってくることもあるでしょう。大体の人は、おそらくそうしたときに「いい絵ですね。」とか「何時間くらいかかったのですか」とか、「どこで描いたのですか」とか聞いてくるかもしれません。でも、そんなことは、絵にとってどっちでもいいことで、「いい絵ですね」と云われたら「どこがいいですか。」と聞き返してみることです。「この絵から、どんな感じがしますか」と聞いてみるのもいいかも知れません。




要は、お褒めの言葉ではなく、物足りないところを指摘してもらうことです。なかなか本音を聞きだすことは大変ですが、家族でしたら、その辺は、はっきりと云ってくれるのではないでしょうか。感想を云ってくれた時に、こんな絵を描いたことがないような人の云うことなんてと、考えないことです。世の中、絵を描いている人も多いですが、絵を描くというような生活をしていない人が圧倒的です。その圧倒的な数を誇る人たちから支持を受けたとしたら、どんな高名な画家や美術評論家から云われるよりも、「すごいこと」だと思いませんか。

話がだいぶ脱線してしまいましたが、今回は、普段から「絵について考えていることの一つ」について書いてみました。



参加者の皆さんの作品