2009年6月30日火曜日

6月例会の報告


6月は、西東京市にある東大農場を描きました。
ごらんのように牧歌的な雰囲気で、とても気持ちのよい眺めが広がっています。サイロと、ポプラ並木のある辺りを中心に、畑に続く道や柵、大きな屋根のある小屋なども、また魅力的なところです。広い場所なので、何かポイントになるものを入れて風景を切り取って描いたほうが取り組みやすいのではないかと思われます。


上の写真のような構図は、広すぎて画面に収まらなくなります。実景を縮小してスケッチブックに収めようとする人がいますが、あまりお勧めできません。自然の風物を、そのままの形を崩さずに縮尺するのは、とても難しいからです。全体を入れようと描き進めていくうちに、辻褄があわなくなって最後は端折ってし
まったり、画面からはみ出してしまうことになりがちです。
私の場合は、実景のサイズを縮小したり拡大したりせずに、そのままのサイズで収まるような大きさで描きことにしています。実景と絵とが、1対1に対応しているように心がけて描くようにしているわけです。長さや角度がくるわずに描けるようになって、はじめて、縮小しても描ける力がついてくるように思います。
自然というのは、とても魅力的な絵の素材で、あるがままの姿を自分の都合で手を加えると、不自然な絵になってしまいます。


上のような風景をスケッチするとき、全体を入れて描きたいというのであれば、画面に収まるように後ろに下がって立つ位置をきめていきます。この場合、左手端にある木の葉の塊や、足元にある地面を「近景」として見ることができるでしょう。サイロと右手の建物が「中景」になり、背後にある暗い色のポプラ並木が「遠景」ということになるでしょう。この位置からみれば、中継にあるサイロが絵の主役になりそうです。足元から続く道筋も、目線を誘ってくれるようにも見えてきます。


上のような場所は、一見して何の変哲も無いようなところですが、奥の木立に向かうようにして道が伸びていて、右手に折れ曲がっています。それを誘うように、左側の鉄柵と、右側の棒くいが並んでいるのがみえます。鉄柵のような人工物は、描きにくいと感じて省いてしまわぬことです。ここでは、大事なポイントになります。電線と柱も役に立ちそうです。遠景右手の背の高い木と、其の奥に隠れている古い建物を
描き入れることで、遠近を捉えることができます。


東大農場は、絵を描く人がよく訪れる所のようで、この日も、私たちの他に、
描いていらっしゃる方を見かけました。この場所も沢山の方が絵に描いています。
ここは、ほとんど傾斜のない地面が続いていますが、遠くまで続く道を描くときに、気づかずに描いてしまうことがあります。それは、道が上り坂に見えてしまうことです。見えるというよりも、描いていった結果そうなってしまうということです。道が遠くまで続いているというふうに見える所では、長い距離を描こうとして、実際よりも高い位置に突き当たり(地面)を描いてしまいがちです。
距離があればあるほど、地面の突き当たりは、眼の高さに近くなります。
そうならないように描くには、地面の突き当たりの水平線から、足元のあたりまでを指で測ってみることです。
上の写真の場合、座って描いている人の足元から水平線(道の突き当たり)までは、指一本分の高さ(幅)しかないことがわかります。2cmぐらいの高さの中に、実際は200mほどの距離があるわけです。

こうして描いたものを、もう一度ながめて、自分の絵の中から何かを見つけることが大事だとおもいます。そういう意味で、自分が描いたスケッチは、どんなものでも、大事に残しておいて、自分のために見直す材料として使っていきたいものです。

★参加者の皆さんの作品です!!

Hさんのスケッチ


Mさんのスケッチ(1枚目)


Mさんのスケッチ(2枚目)


Oさんのスケッチ(1枚目)


Oさんのスケッチ(2枚目)






Tさんのスケッチ(1枚目)

















Tさんのスケッチ(2枚目)




















Yさんのスケッチ(1枚目)


Yさんのスケッチ(2枚目)

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