玉川上水・緑道(小平) |
★今月は,「風景写真から絵を描く」というやり方をしました。
旅先などで撮ってきたスナップを持ち寄って,一枚の絵に
仕上げる ということです。
戸外や旅先で心を動かされた風景を,その場で描くことが
できたら一番良いのですが,時間的な制約もあって,なか
なか余裕が無いときもあります。
現場主義ということで,その場の状況や雰囲気を大事にし
て,絵を描いていらっしゃる方もいます。また,現場には,
取材の目的で訪れ,資料としてのスケッチを必要なだけ描
いて,あとは室内で,アトリエで,制作するという方もあるよ
うです。
★いずれが良いとか,どのようにしなければならない,などと
云うことは無いのが,絵の世界のようです。ただ,「写真か
ら絵を描く」ということは,絵を描くという本来のことからす
れば,例外的なやり方というように考えた方が良いのかと
思います。
それは,写真と絵画というものに,根本的な違いがあるか
らではないでしょうか。乱暴な言い方をすれば,写真には
できないような表現が,絵にはあるからです。
★写真から絵を描くときに,注意しなければならないのは,レ
ンズの性質か らくることですが,画像にゆがみが出てしま
うことです。特に,建物の縦の向きや遠近にひずみがでて
しまうこと。
高い建物を撮った写真をみると,そのことが良く分かります。
人間の目は左右に二つ並んでいるお陰で,物の立体感や
遠近感が非常に精度高く見えるようにできています。また,
興味のある物を周りのものより大きく捕らえて見ることがで
きるという働きもあります。その反対に,とりあえず注目して
ないものは,実際には見えているはずなのに,あたかも無
いかのように,気にならないという面白い働きもしてくれます。
ところが,カメラのほうは,人間とは違って,意識的に見るも
のを選んだりせず,あるがままにすべてを写しするという働
きを します。この点が,大きな違いの一つではないでしょう
か。自分の目をとおして見た素晴らしい風景も写真に撮って
みると何か味気ないもののように感じることがあります。
★そんな言い方をすると,写真を趣味にしている方からお叱
りを受けることでしょうが,絵を描くときには,そこらへんの
違いを考えて,写真を見たり使うべきではないでしょうか。
絵を描くものに とって,写真はあくまでも描くための資料と
して使うようにしたほうが無難なように思います。
自分の目を通して受けた印象や五感を通してうけた感覚を
大事にして,それを描き表わすのが,絵 を描く原点のはず
ですから。
★以下は,今回の例会で使った写真の一部と,参加された方
の作品です。室内ということもあって みなさんかなり集中し
て取り組めたように思います。2時間あまりの間に,思い思
いの風景と向 き合って,絵を描かれておられました。
オンフルール旧港(フランス) |
TUさんのスケッチ |
オンフルール旧港(フランス) |
HIさんの作品 |
石畳の路地(パリ) |
WMさんの作品 |
函館の風景(Oさんの作品) |
プラハの街(Yさんの作品) |
玉川上水の緑道(Nさんの作品) |
コルドバのメスキータ(スペイン) |
NMさんの作品 |
WSさんの作品 |
Kさんの作品 |
グラナダの町(MTさんの作品) |
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